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1.風の盆

9月1日、風の盆に行ってまいりました。富山県で開催されるお祭りです。深夜の薄暗い町の中を静かな音楽と共に、美しく、そしてゆったりと踊る盆踊りです。盆踊りと聞くと、賑やかなもとの想像しがちですが、風の盆はとてもおごぞかな空気を感じる静かな盆祭りです。うっすらと明かりのともった街角から、踊る方々がすっと行列をなして現れて、曲にあわせて舞います。男踊りと女踊りとあるのですが、同じ舞も踊ります。歴史のあるお祭りのようで、古くは江戸時代以前から受け継がれていると伺いました。そもそも風の盆とは、農業が盛んであったこの地域の農民が、台風が来る9月被害が少なくあるように、神に祈って踊ったのがならわしだとか。

さて、私が行ってビックリしたのは観光客の多さです。マイクロバスで続々来ます。道もごった返しているために、踊る人の行列を見るのもやっと。田舎町は満員御礼状態です。「観光客が来ることで町は賑わい、利益にもつながるが、そもそも風の盆は神妙なお祭り。人があまりにも多すぎることは好ましくないのですが・・・といいつつも、お客さんが沢山きてくださることは大変嬉しい。複雑なものです。」と町役場の方が仰っていました。観光客の方が帰宅するのはだいたい22時。それまでは、町のいたるところでお客さんサービスの踊りをしています。が、風の盆は23時からが本番。人がいなくなって、地域の人間だけになった深夜に本当の風の盆が始まるそうです。いっせいに家の中にいた人たちが表に出て、舞を踊るそうです。
(ちなみに私は22時に帰ってしまいましたが・・・)

地域の古い慣わしを大切にする心意気を感じるお祭りでした。

更新日時:2004/09/04 09:50